2022年4月公演 演出部座談会
【参加者】
宮本栞里:新2年 作・演出
石曽根彩花:新3年 演出助手
松山香穂:新3年 演出助手
【質問者】
辻井優希:新2年 制作
――稽古場の雰囲気はどのような感じですか?
松山:稽古場メンバーとして参加するのは初だったんですけれど、和気藹々としていて、楽しみつつも突き詰める感じが凄く良いな、と思っています。雰囲気としてはそんな感じかなあ。ピリピリというよりは、突き詰めるところは突き詰めて、休むところはしっかり休む。助け合っている感じもあって凄く良い雰囲気だと思いました。
石曽根:私は演出助手というよりは、役者の中の演助、というような役者を取りまとめるポジションらしいんですけれど(笑)。今回の稽古場は凄くやりやすいかも。みんな今までに役者をやったことのある人達だから、段取りを分かっていて。だからこそやりやすいし、もし私が順番を間違えたとしても「これ違いますよ」って教えてくれるので。
――では次に、演出部三人それぞれの役割を教えてください。
石曽根:私はさっき言った通りの立ち位置だから、特に演出に関してはあまり言ってなくて…。自分の役をこうしたい!とかは言うけれど、それは演助としてではなくて、役者としてなので。演出としてよりは、役者として基礎練習を引っ張るくらいかな。
松山:私は、現時点だと、主にビデオ撮りとか、空いている役者さんとのセリフ練習の穴埋めをすることとかかな。あと、しおりん(宮本)が作ってくれている稽古記録に「こういうこと言われてたよ、頑張ろう!」みたいなことをダーッと書き込んでいる感じかなあ。
石曽根:みんなで共有できるようにgoogleドライブにまとめてくれてるよね。
松山:うん、そうやって書いてるね。あとは劇中で使う小道具を探すこともしています。
宮本:私は個人作業も多くて。家で稽古の動画を見直して、ここは何でこうなっちゃったんだろう?とか考えて、それを次の稽古に持っていって実践してもらうっていう感じでやっています。まあ、基本的には稽古内容をまとめて、批評して、何回も稽古するっていう繰り返しだと思うんですけれど。あと、意識していることがあって…。一回は必ず誉める!
石曽根:たしかに(笑)。
宮本:どこか良いところを見つけよう、っていつも意識しているかな。あと、私も全然演出とかはわからないから、他の演劇団体の動画とかを見て学んだんですけれど、やっぱりわからないですね(笑)。常に難しいって思いながらやってます。
――先ほども仰っていましたが、香穂さん(松山)は今回稽古場に参加するのが初ということで、稽古場で何か驚いたことや発見などはありましたか?
松山:まず、役者さんが凄すぎて…。体力もそうだし、直してって言われたことをすぐに反映させているし…。それに、本読みの段階からこうしたい、ああしたいっていうのが考えられているのが凄い。あとは(役者自身が)キャラクター設定を作るっていうのが初耳だったから、驚きました。こんなに公演に関わるのも初めてだったので。今まではアイデアを出して終わりだったり、タタキや当日スタッフに参加するだけだったりしたけれど、(稽古場を見て)みんな本当に一生懸命何日も何日もかけてやってたんだなあ、っていうのをまず実感したかな。作演さんは、色々な意見をしっかり全部受け止めて、家で考えてきてくれているのが伝わるし…。実は、私は一度台本が出来上がったらそれで完成だと思っていて。そこから稽古が始まると思っていたから、稽古を経て台本が変わっていくっていうことにびっくりしたかな。それだけ良くしていこう、バージョンアップしようっていう姿勢があるってことが凄いなって思いました。
石曽根:台本を変化させることで、セリフを言いやすくしてくれています。演じている方としてはありがたいですね。
松山:ただ作る、というよりは練り上げて練り上げて作っていくっていう印象があったかな。
――因みに、演出部のチャットグループなどでは何を話していますか?
一同:特に無い(笑)。
宮本:事務連絡ばかりになってるかも。
松山:(活動記録の)フォーム出しました、次の予定これです、みたいな。
石曽根:本当に端的です!ある意味楽だけど(笑)。
――では、少し話題を変えて作演さんにお聞きします。今回の作品はいつ頃から考え出しましたか?
宮本:元々脚本を書くことには興味があったので、去年の夏ぐらいから、作演をいつかやりたいなあと思っていて。その頃、自分が好きなドラマの脚本を書いてたんですよ。時系列が凄く良い作品で、今までに10回くらい見たんですけれど(笑)。それをいつかできたら良いなって思ってたんだけど、いざ作演をやるってなった時に、まだダメだなって気が付いて。オチもちゃんと出来てないし人数も足りないし…。自分で一から作ろうって考え出したのは12月頃からですね。
――劇を書くにあたって、インスピレーションを受けたものなどはありますか?
宮本:インターネットで舞台・演劇の脚本を色々調べて沢山見てみました。そうしたものの面白いなって感じた要素を沢山詰め込んだ感じかな。こだわったのは、時系列を扱うところですね。
――演出助手のお二人が初めて脚本を読んだときの印象はどうでしたか?
松山:ネタバレに気を付けて言うので、ふわっとしていて申し訳ないんだけど、"驚いた"っていうのが一番ですね。よく練ってあったから、一度観るだけだと、ここもう一回見たかった…!ってなりそうな感じがあったかなあ。あとは、ぶっちゃけたこと言うと、役者さんが大変そうな高クオリティな感じだったかな(笑)。凄く面白かったし、私が今まであまり触れたことのない作品だったから、とても好きだった!本当に、良いじゃん!と思うタイプの作品で……ああ、語彙力が(笑)。
石曽根:私からは演助の立場というよりは役者の立場としてのコメントが多くなると思うんですが…。そうですね、面白そう、やりがいがありそう、でも難しそうみたいな(笑)。一人一人のキャラクターが立っているからこそ、そのキャラクターを演じるのが難しそうだなあと思ったかな。実は、台本の読み合わせの時、まだ配役が決まっていなくて。4つある役の色々なシーンをやってみて、しおりん(宮本)が決めるって言う感じだったんだよね。そこで全部の役を体験したんだけど、どれも楽しくて演じたいなって思えたから、そう言う面でも面白そうだな、やりがいがありそうだなと思いました。勿論内容も凄く好きです!
――演出の仕事として大変なこと、逆にやりがいを感じる瞬間などありましたか?
松山:大変なことは…演助っていうスタンスがどこまで突っ込んで良くて、どの程度の広さでやれば良いのかがいまいち掴めなくて。
石曽根:それわかる!
松山:サポートをするっていうのは分かるんだけど、具体的に何をすれば良いのかが決まってないから。サポートという曖昧な役目だからこそ、決まった仕事がないってことが大変だったかな。逆に楽しかったのは、稽古場にいられることかな。今までは、稽古の段階をほとんど見られなくて、発表されたものを観て「わあ、凄い!」としかなれなかったから。稽古に関わること、もちろん役者さんや作演さんのサポートもそうだし、(劇の)一部になってガッツリ関われていることが楽しいことかな。
石曽根:大変なこととしては、香穂ちゃんと一緒で演助の仕事内容かな…。私の場合、12月公演で四年生の先輩が今の私と同じ立場で、演助=役者のリーダーだったから、その先輩が何をしていたかってことを思い出すことから始めました。それで、みんなを演技の面で引っ張るっていう部分が凄く大きいと感じていて。でも、ぶっちゃけ先輩は経験があったから圧倒的なトップにいた感じだけど、今はもう役者みんな初心者だから。同じスタートラインに立っているわけで、一番自分ができるっていう感じで引っ張っていくことは出来ないんだよね。でもその代わりに、自分が少なくとも一番自分の役を考えてきて、こうじゃない?って提案できるようにしたいと思って考えてきているつもりです。それがちょっと難しい部分でもあるし、やりがいを感じるところでもあるかな。
宮本:もともと作演が大変だってことは知っていたけれど、こんなに大変だとは思わなくて(笑)。今までは、各部署の仕事とかはほぼその部署自体に任せる感じだと思ってたんだけど、結構自分で考えなくてはいけないんだって気が付きましたね。あと、脚本は一人でずっと書いてたから頭がおかしくなるのと(笑)、自分は話を知っているからこそ、話の辻褄が合ってないことに気が付かないのとかが大変でした。あと、ドラマだったら解決することが舞台だから解決しないとか、切り替えが難しいことに後々気が付いて。最悪…ってなることがありました(笑)。あと、誰かに指導すること自体は高校時代に経験があったけれど、先輩や同学年にも指導するっていう環境は初めてで。それに関してはまだ悩む部分も多いんですけれど、なんとかここまで来れたので、もっと成長して良いものを届けられたら良いなあと思います!
――お客様や新入生に向けてコメントをお願いします!
松山:私自身、サークル長になってはいるけれど実は初心者っていう微妙なポジションなので(笑)。初心者大歓迎ですよっていうことを伝えたいです。あと、今までの学生時代にも演劇を出来る環境はあったと思うんだけど、大学は大学で使えるお金や場所も違うし、今までともまた違った楽しみ方があるかなって思うので、一度見に来てもらえたら嬉しいです。また新たな発見があるかもしれないし、中高でやっていた子も是非観に来てもらって、大学はこんな感じなんだと知ってもらえたら嬉しいかも。あとは理学部の方も募集中です(笑)!
石曽根:今回の劇は、演劇を始めて1年に満たない子達が作り上げた舞台なんですけれど、この後完成度が高くなって色々な人に楽しんでもらえる作品になると私は確信しているので、是非、観に来ていただいて、入部してほしいなあって(笑)。初心者から始めても、こんなにできるようになるんだよっていうのを含めて、見に来て欲しいなって思います。面白い作品だし!
宮本:大学の演劇って初心者じゃなくて、中高からやっていた人が入るものだと思う方も多いと思うんですけれど、みんな初心者だけどここまでやってこれたので、初心者でも全然大丈夫だし、人数も少ないので結構馴染みやすいんじゃないかなあって思います。中高時代に人前に立って何かやってみたかったけれど出来なかった人とか、役者に関わらず、自分が関わった作品やデザイン力を見てほしい、仕事に役立てたいって人にとっても良いサークルじゃないかな。人数が少ないからこそ沢山の仕事に携われる良い場所だと思うし、そういう人に一番適しているところなのかなって思います。あと新座キャンパスの方、待ってます(笑)。